施療効果は自分のクセを見直すことでも上げられる

施術をしていく上で大切なのは、受け手(患者さん)へ【違和感】を与えないこと。

【違和感=不快感】としても良いかもしれない。

最高のアジャストメントを行ったとしても、そこまで至る過程で何かしらの違和感(=不快感)を得てしまっていたら、その施術での価値レベルは最高のアジャストメントではなく、不快感を得たレベルが最高になり、結果的に施療効果もそこまでとなる。

リービッヒの最小律【ドベネックの桶】

これは、栄養素の「リービッヒの最小律」で用いられる「ドベネックの桶」で当てはめると分かりやすい。

桶に水をいっぱいになるまで入れても、欠けている部分があると、結局最後に残る水はその欠けている部分のレベルまでだ。

当たり前だが、これはその後のリピートしてくれるかにもつながる。

人が変容していくには、反復繰り返しが必要だ。
量質転化」という。
「量を行うことによって、質が転化していく」という意味。
繰り返し施療をすることによって、人の心身は変容していく。
変化(Change)ではなく、変容(Transformation)でいいのだ。
そのために、必ず通院してもらう必要がある。

そのための通院が必要な説明をいくら丁寧にしても、そもそもすでに不快感を得てしまっている脳には全く響いてこない。

この違和感=不快感は、ロジック的(左脳)には処理できていない。
なので、何が悪かったのかを尋ねても「?」や「何となく…」で終わる。

でも処理速度が左脳よりも1万倍速いと言われている右脳には、しっかりと意識できてしまっている。
なので、感覚的に「何かイヤだな」と感じられる。

なので、自分の得意な部分を伸ばすのもとても大切だが、自分の上手くできていない部分を底上げしておかなければ、全体レベルは一向に上がらない。

クセをクセのままにしないために必要なこと

自分自身が気付いていないこと(クセ)で与えてしまっている違和感(=不快感)にも、術者視点ではなく患者(顧客)視点に立って観察し、意識化できるようにする必要がある。

クセというモノは無意識でやっていることがほとんどだ。
その何気ないクセの中に不快感を与えてしまっていることが多い。

例えば、人に触れる際に、触れる手だけでなく自分の服が一緒に相手の頭や腕などに触れてしまっていたり、カラダの一部が知らずに触れていたり。
他には、清潔な髪型、服装、体臭などのエチケット的なこともだ。

利き感覚を知る

人には「利き感覚」というものがある。
利き手や利き足などがあるように、感覚(五感)にも個人個人使いやすい感覚が存在する。

視覚優位聴覚優位身体感覚優位の3つに分けられる。

例えば、リゾート地を思い浮かべてください。

思い浮かべました?

その時、一番最初にどのような状況を思い浮かべました?

キレイな青空や一面にきらめく海ですか?→視覚優位

海のさざ波の音やビーチで遊んでいる人たちの声?→聴覚優位

日光からの暖かさや足に触れる砂浜の感覚?→身体感覚優位

このように人それぞれ、思い浮かべる状況が違います。

で、この感覚の違いがあるということは、自分は視覚優位だから見た目の部分には気を遣っていても、言葉が足りないと聴覚優位の人は違和感を得てしまう。
逆に言葉ばかりで攻め立てても、図や模型を使っていない説明だと理解できなかったりする。

臭いや触れられた時の感覚などが気になる人は、身体感覚優位。

人それぞれ優位な感覚が違うために、自分では気付かない所で違和感を与えてしまっているケースがある。

よって自分のクセを意識化し、欠けている部分を底上げすることで、満足度は上がる

これはリピートを上げるだけでなく、施療効果にも必ず影響があるということ。

師匠や仲間を作る

ただ先程言ったようにクセは無意識的にしていることなので、なかなか気付かない。
そのクセを教えてくれるのが師匠や仲間たちの存在。
なので、セミナーや勉強会などには行った方がいいよね。

私もカイロプラクティック(DRT)の師匠や合気道の師匠から直接指導してもらう機会があって、その都度ありがたいことに自分のクセを気づけることができている。

無意識化していることを意識化することで、施療効果と満足感を上げてみましょう。